介護の職場を退職し次の仕事に移る際には、できるだけ良い人間関係のままで退職できるよう心掛けたい。
そこで配慮が必要であるのが、退職の理由である。退職願を提出する場合に、なぜ退職するのかについて理由も書く。また退職する事を上司に伝えた場合、なぜ退職するのか理由を尋ねられる場合が多い。理由が尋ねられた場合を想定して、無難な回答をあらかじめ考えておくのが、円満退職のためのコツである。本音の退職理由としては、次の仕事の方が魅力的だからとか、あるいは働いている職場の賃金に不満があるからといった事も確かにある。しかしその本音の理由を、率直に相手に伝えるのは問題がある。ここは、無難で相手に対してあまり悪い印象を与えないような退職理由を考え準備していた方が、波風が立たない。
円満退職という目的であれば、多少は嘘が混じっていて退職理由が本音とは異なっていたとしても問題はない。核心の部分はぼかして、上司や職場の仲間の心情に配慮した退職理由を用意しておく。ただし、退職の理由は矛盾しないよう、中身をよく検討する必要がある。場合によっては、次の仕事で偶然、かつての職場の関係者と再会するといった場面もありうるためである。そのような時、退職理由と実状と矛盾するような事が起きると、かえって気まずい事になる。もしこれまで退職経験がなく、上手な退職理由が思いつかない場合には、信頼できる口の堅い先輩に相談してみるのも方法である。